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多久 守

備前焼作家の木村隆明の弟子として陶技を学び、
日本伝統工芸展をはじめ、朝日陶芸展、一水会陶芸展など
多くの入選歴を持つ日本伝統工芸正会員。

主な陶歴
1983年
佐伯町南山方に登窯を築き、11月に初窯を出し作家として独立
1998年
工房を建部町に移転、半地下式穴窯を築く
2005年
日本伝統工芸正会員となる
2013年
「茶の湯の造形展」田部美術館大賞
2014年
岡山県芸術文化賞 グランプリ受賞

備前焼ができるまで

今回、備前焼作家の多久守さんにご協力いただき、約半年間の長期にわたり作品が完成するまでの工程や作品にかける「想い」を記録しました。

長い作品製作の始まり「土づくり」とは?

「土の聲を聴く」
私の製作はここから始まります。
最初の工程となる土づくりでは、この土はどうして欲しいのかということを、五感を使って感じ取るようにしてます。土には色々な個性があり、優しそうに見えて、焼くと豪快な表情に変わる土もあります。どれくらい土と水を馴染ませるのか、どの柔らかさで粘土にするのか、どの粒子を残すのか、これから私が作ろうとしていることと、この土がなりたいことが一緒なのか。土と丁寧に向き合い話し合いながら行います。これから一緒にやっていくパートナーですから全力で感じ取るようにしてます。

製作過程で意識していることは?

製作の工程では、この土は何をどんなやり方で作るのがふさわしいのかというイメージと、あらゆる可能性の中からいけそうだと感じる手法でまずは形にします。 佇まいや気配といった土の力をより生かすために、加える手法は最小限に留めることを心がけています。黒子のようにそっと支えることが私の役割ですね。

昼夜問わず約10日間も続くタフな工程「窯焚き」

窯の中で窯詰めしていると、僕自身が作品になったような錯覚を覚えることがあります。私にこれからどうような火があたってくるのか、どんな温度になるのか、そのようなことを考えながら行います。 窯を補修していると、どれくらい焼けたかよくわかります。その場所がどの程度動いた、どの温度になったか、そういう情報を窯が私に色々と伝えてきます。 ここまで熱が行き届いていたのかなとか、ここはもう少し長く焚くべきだったかなとか。窯と対話することが、次回への考察にもなります。
作品を焼くということは窯をしっかりと焼くということが全てです。 窯焚きはわたしがどうしたいかというよりも、窯が今どの程度の木を欲しがっているか、どれくらい待って欲しいか、どれくらいの空気が欲しいか、それを音と熱で感じながらしっかりと窯と対話して焚くようにしています。

いよいよ窯出しです。意識していることは?

窯出しの時にはどうしても派手なものに目がいきがちですが、一喜一憂しないように心がけています。 私が求めているのは、10年20年使い込んで愛着が出てくるような、ほのかな雰囲気をまとったものなんです。 長い時間飽きのこない落ち着いた風情があるか、時間をかけて判断する必要があります。 そういうものは窯出しの時にはを見過ごす事が多い。製作の総決算になる窯出しはどうしても気分が高揚してしまいがちです。

多久さんが備前焼き作家として大切にしていることを教えてください

「2度と元の土には戻らぬ土を焼く」という想いを大切に製作しています。 土を石に変え、木を灰にしてしまう作業ですから。 私たちの創作は、素材を破壊することで成り立っている創造性です。土を土ではなくす、木を燃やす。きちんと素材へ対するリスペクトができたか、ということがすごく重要なんです。 そして、パートナーとして一緒に取り組んできた土が、作品になって誰かの手元で大切に使われていく。使っていただく方に可愛がっていただけるようにという想いで送り出しています。

最後にLedlenserで「POWERUP」を実感できたことは?

蛍光灯では明るさが足りない作品の造形や土の表情の確認、暗い窯の中で細かいクラックや前回焼いた窯の変化を細かく観察するためなど技術的な用途の他に、窯出しの際に内部では溜まった灰などから作品を丁寧に運びつつ、自分の安全も確保する必要もあるため、Ledlenserの耐久力があり安全に作業できるライトは、夜間など時間にも左右されずに作業するために欠かせないパートナーです」。

STORY -多久 守-|POWERUP|Ledlenser(レッドレンザー)公式
STORY -多久 守-|POWERUP|Ledlenser(レッドレンザー)公式
STORY -多久 守-|POWERUP|Ledlenser(レッドレンザー)公式
STORY -多久 守-|POWERUP|Ledlenser(レッドレンザー)公式
STORY -多久 守-|POWERUP|Ledlenser(レッドレンザー)公式

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撮影・取材協力
トレバー・ウィリアムス氏(Trevor Williams)

カナダ出身のフォトグラファー・ビデオグラファー。岡山県に拠点にを置くTDUB PHOTO(ティーダブ・フォト)代表。
2009年の設立以来10年以上にわたり、海外出身のカメラマンとしての独自のクリエイティブな視点から、日本国内のみならず世界中のクライアントと多様なプロジェクトに携わり、写真および映像制作業務を行う。 過去にナショナルジオグラフィックの写真集に作品が取り上げられ、ジャパンタイムスで写真について論評を寄稿した。
来日20年目となる2021年には復興庁の海外向け広報動画「明日を心に描いて」に出演。
今回の撮影に使用された製品をご紹介します

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