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【新春特別号】連載 Ledlenser PEOPLE #005 滝川次郎さん(パワースポーツ/OSJ湘南クラブハウス 代表取締役社長)
2024.12.26
(photos and words by Koki Nojima: Ledlenser Japan)
Special Thanks : パワースポーツ/ OSJ湘南クラブハウス
Ledlenser PEOPLE #005
滝川次郎さん(パワースポーツ/OSJ湘南クラブハウス 代表取締役社長)
アイアンマンからトレイルランニングまで:未来を見据える先駆者
暗闇の中、ヘッドランプの光が山道を照らす。その光の先には、新たな仲間との出会いが待っている。トレイルランニングの魅力は、単なる競技の枠を超え、人と人とを結ぶ特別な絆を生み出すことにある。この世界の第一人者である滝川次郎さんは、その体現者だ。
OSJ湘南クラブハウスの屋上にて、材木座のビーチへは徒歩30秒。富士山や伊豆大島が一望
トライアスロンとの出会いから起業へ
JTB時代、一つのトライアスロン大会の企画がすべての始まりだった。当初はロードバイクを趣味程度に楽しんでいた滝川さんだが、海外のアイアンマンレースの壮大さに圧倒され、魅了される。その後、「パワーバー」というニュートリションブランドとの出会いが転機となり、2000年3月、スポーツイベントとギア販売を手掛けるパワースポーツを設立。起業にあたっては、若手として頭角を現しつつあった石川弘樹選手との契約のためにJTBの退職金を投じたことは界隈では有名な逸話。
レジェンドの素顔
業界では重鎮として知られる滝川さんだが、その人柄は驚くほど飾り気がなく自然体だ。トレイルで出会う仲間のような親しみやすさを持ち合わせながら、ビジネスパーソンとアスリートとしての鋭い視点と高い見識を兼ね備えている。
60歳を超えた今でも、本場UTMBの100マイルレースを完走する選手であり、確かな体力の持ち主。OSJ湘南クラブハウスを拠点としたトレーニングや、鎌倉から真鶴町までの往復100kmのロードバイクを楽しんでおり、近年はシーカヤックでのサーフスキーやオーシャンスイムのイベントを自ら企画するなど、その活動範囲は留まることを知らない。
OSJ湘南クラブハウスの地下にはトレーニングルームも。アイアンマンでもある滝川社長だけにフィジカルが強い!
2025年:新たな挑戦 By UTMBを日本で
パワースポーツ設立25周年となる2025年、滝川さんは日本初となる「KagaSpa Trail Endurance 100 Japan by UTMB」の開催という大きな挑戦に臨む。すでにエントリー者の30%がインバウンド参加者という注目度の高さを見せている。
「マラソンのビッグレースのように1万人規模のレースができれば盛り上がりますよね。By UTMBののれん代は確かに安くないけれど、3年契約なので回数を重ねてよくすればいい。By UTMBのレースができるなら、それで赤字になっても開催できれば楽しいじゃないですか」と、その眼差しは未来を見据えている。
グローバルな視点で見るトレイルランニングの未来
滝川さんは、海外のトレイルランニングシーンから日本の可能性を見出している。「海外では、短・中距離のレースも人気があり、若い世代が派手な色のウェアで参加する。スポーツツーリズムとして楽しむ文化が根付いている」と指摘する。2025年は、日本のトレイルランニング界にとって、インバウンド元年となる可能性を秘めている。旅を含めて美しい自然の恵みに触れ、スポーツを楽しむ時代がもうそこまで来ているのだ。
OSJ湘南クラブハウスの顔、成瀬康夫店長と板橋美紀店長。お二人とも実力派のトレイルランナーであるだけに、なんでも相談に乗ってくれるし、ショップ主催のランイベントも頻繁に開催されている。
アイアンマン、アドベンチャーレース、トライアスロン、スパルタンレース、オーシャンスイム、サーフスキー、そしてトレイルランニング。多岐にわたる競技の発展に尽力してきた滝川さん。特にKagaSpa Trail Endurance 100 Japan by UTMBとOSJ湘南クラブハウスを拠点としたマリンスポーツは、彼が情熱を注ぐプロジェクトだ。選手としての経験と、海外レースを見てきた知見が、日本のアウトドアスポーツシーンをさらに進化させていくことだろう。
夜道を照らすLedlenserの光のように、滝川さんは日本のトレイルランニング界に新たな道を照らし続けている。その光は、これからも多くの人々を魅了し、新たな出会いと感動を生み出していくに違いない。